2008年02月28日

衣、三歩下がって食、そして住

昨日、知人に誘われ、住生活教育研究会なるものの会合に初めて参加させてもらいました。

構成メンバーは、建築家をはじめ、プロダクトデザイナー、そして場所と料理を提供してくださったキッチンコンサルタントで著名な井上まるみさんなどです。

「教育」とか「研究」とかたいそうな名前が付いていますが、本来は暮らしや住まいについて、自由に討論し、勉強や自己研鑽の場としてあるものです。

しかも、料理がまた美味しく自由討論にも華が咲きました。

 帰りがけには、井上さんが書かれた著書までプレゼントしてくださいました。

 
 KC3D0002(2).jpg kichi1.jpg 

 
 さて、「食」と「住」についてワタシなりの考えを簡単に書きます


 小学校で「ゆとり教育」が叫ばれてから随分たちますが、欧州に比べ日本の「家庭科」の授業はまだまだ遅れているのが現状です。人間が生活していくために必要なもの「衣」「食」「住」がありますが、とりわけ日本は、
1=「衣」、2=「食」、3=「住」の順に諸外国より遅れている感じがしてなりません。

 
 「食」文化は世界に類を見ないくらいに様々な国のものを食べる民族ですので、供給という面では世界最高水準なのですが、「食」に対する敬意や知恵の部分ではずっと遅れています。

 賞味期限が切れたら食べない・・・当たり前のことかもしれませんが、しかしそれは他者がもたらす情報によってそう信じ込んでいるだけで、自分の経験や知恵は一切入っていません。

「これ大分古いから、食べたら、お腹こわすやろな・・」とか

「ご飯に糸ひいてるけど、お米の古いの間違って食べても大丈夫」といったことは、小さい時からの経験で本来知っていなければならないことだと思うのです。
 大量生産と行き届いた品質管理に守られている日本では、そういった知恵の部分が退化してしまっているのかもしれません。またそういうことを教えてくれる、おじいちゃんやおばあちゃんがそばに居ません。


 「住」にいたってはさらに遅れています。これは、木造とか、鉄筋コンクリートとか、シックハウスとかそういった外形的、物理的な知識や現状のことではなくて「住まいに対する意識」です。

今流行のデザイナーズブランドの白い箱も決して悪くありません。使い勝手も楽な方がいいでしょう。高気密高断熱もしかりです。

ですが、その前に考えなければならない、大切なことを見落としてはならないと思うのです。

 

それは、われわれは日本という国に生まれ、高温多湿、豊かな水と森林、それゆえに四季折々の移ろいを感じることができる気候風土の中に育ちってきたという事実です。
 「旬のもの」という言葉がぴったり当てはまる国は日本くらいだと思っています。この身体に染み付いた日本的DNAやそこからくる自然と健康のサイクルは変えることができないのです。


 たとえば、高気密高断熱を例に取れば、この工法は部屋の空気の流れがストップしますから、強制換気が必要になります。窓を開けていたのでは高気密の意味がありませんから当然エアコンをつけます。エアコンは同じ空気ばかりを循環させますから、今度は空気清浄機能が必要になります。こうして住まいはどんどん重装備になって行きます。重装備になればコストがかさみます。

これは丁度、風邪をひかないように新種のワクチンをどんどん打っている状況によく似ています。

(決して高気密高断熱を否定しているわけではありません。大切なのは使う場所と目的です。)

 

また「物理的快適」さは、温室と同じですから、寒い冬などは「外で運動しよう」という気力も萎えます。高齢者ならいいのですが、子供がエアコンをがんがん効かせた部屋で、こちょこちょゲーム機いじる姿は決していい環境とはいえません。

新しい技術によって快適性の質はある程度まで向上はするのですが、人間らしい根本的なところで解決にはなっていませんので失うものも大きいのです。


 「もっと身軽になれば・・・」といつも思います。

ただ身軽な住まいを実現していくためには、小学校の時から授業で「日本の住まい」について勉強して、人の関わりや健康など、住まいと密接に関連した総合教育が必要になってきます。机上の空論にならないよう体験学習もまた必要になってきます。

家庭科教育の時間数を増やし、より密度の高いものにしてほしいものですが、悲しいかな、この薬だらけの住まいも行き着くところまで行かないと、なかなか方向転換できないのかもしれません。

 
 ワクチンよりバランスの取れた食事と運動。

 これがこれからの住まいの課題ではないでしょうか。

By Ryuわーい(嬉しい顔) 



posted by ばばちゃん at 16:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 住まいの雑学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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