2007年10月26日

秋の夜長は・・・

 秋の夜長は、読書がいいです。


 学生の頃から読書は好きでした。勉学よりも熱中していたかもしれません。

その頃読んだ本といえば、企業家(松下、ホンダ技研、ソニー、ヤンマー、等など)の伝記本とか、その他伝記小説、冒険家植村直己さんの本、現代文学の安部公房、歴史小説の司馬遼太郎などが好きで片っ端から読んでいました。

 
 数ある中で印象深かったのを少し紹介します。


 一つ目は渡辺淳一の、野口英夫の生涯を描いた「遠き落日」です。

小学校の授業で習った偉人野口英夫のイメージとはかけ離れ、現実は借金の天才で放蕩な人物像。あまりにも生々しく描かれていたのは、学生のボクにとってはショッキングなものでした。
 しかしながら、片手しか使えないコンプレックスをバネに、有名になりたい、母に楽をさせたい・・・その一心で、何のコネもなく単身アメリカに渡り、毒蛇採取の仕事という家畜小屋さながらの劣悪な環境からスタートし、「人間発動機」と呼ばれるくらい研究に没頭。梅毒スピロヘータの純粋培養に成功した英夫は、次々に研究対象を広げ、やがて黄熱病の研究のためアフリカに渡るが自分の命も犠牲にしてしまう。英夫が発見できたと思った病原菌は細菌ではなく、当時の科学技術では発見できないウィルスであることが後に分かったのです。

 映画にもなりましたが、本の方がはるかにぐぐっと来ます。不撓不屈のバイタリティーが伝わってきます。

それにしても、梅毒研究の第一人者ということもこの本読むまで知りませんでした。

 
 二つ目は、司馬遼太郎の「夏草の賦」です。

 四国土佐の片田舎に生まれ、一群の領主でしかなかった長曾我部元親(ちょうそかべもとちか)が、機知に飛んだ策略で土佐一国を制し、やがて四国全土を統一。
 しかしその頃皮肉にも中央(京都)では信長が倒れ秀吉に政権が移り始めているさなか。大軍を率い巧妙で老獪な秀吉によって元親はまた元の領土へと封じ込まれてしまう。野望に燃えた若者が天賦を信じ己の生涯をかけて築き上げたものが崩れていく。「もし私がこんな四国の片田舎に生まれず、本土に生まれていれば・・・」という言葉がとても印象的でした。野に生える夏草のようにたくましくもはかない元親の生涯を描いた作品です。


 これを読むまで、野望に燃える男やリーダーと言うのは勇猛果敢で、決断力に優れ、男の中の男・・というイメージがあったのですが、この元親に限っては全く逆で、幼少の頃から夜が怖く、風が吹いて揺れる木々を見ては化け物がいる・・と思い、遊びは弓矢ではなく蹴鞠(けまり)で遊んでいたという。いうなれば女性のような性格。
 元親いわく「自分は臆病だからこそ、想像力を働かせ敵を攻める道をさがす。勇猛だけの武将は単なる馬鹿である」という考えは、
20歳のボクには「なるほど、そういう考え方もあるのか」と自信が湧いてきたのを憶えています。


 三つ目は、松下幸之助が書かれた本。これはほとんど読みました。印象に残っているのは「やきもちは、焼きすぎてもあかん、かといって焼かないのもあかん。狐色に焼くのが丁度」・・・これは人間社会の人情の機微を的確に捉えていて重みがありました。
 また、今の門真市に本社を移す時、移転する方角が鬼門の方角で周囲からは大反対されたけど、氏はあえて「ワタシはやる。もしそういった迷信で経営が駄目になるなら、やっぱり鬼門はあなどれないということになるが、経営がうまくいけば鬼門など関係ないということを世間に示せる絶好のチャンスである」・・・といいきったのです。どんな場合でも大きな視点で物を見ていくことが大事であるということを教えてくれました。でもそういうことが分かってきたのは卒業してから
10年以上経ってからです。


 まだまだ紹介したいですが、また次の機会にします。

 今はどんなものを読んでいるかというと、学生の頃より量は減りましたが、建築以外なら論評は好きです。


 しかし、若かりし頃に読んだ本は、生涯の宝になりますね。

By Ryuわーい(嬉しい顔)

posted by ばばちゃん at 23:25| Comment(2) | TrackBack(1) | 日々勉強 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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Posted by at 2007年10月27日 14:59
こんばんは。最近人間に飢えてて(食べるわけじゃないですが)ちょうど何かいい本ないかな?と思ってたとこです。かと言って、生き方を説いているような本は、いきなり答えを見に行ってるようで遠慮してました。
電車通勤のころはよく読んでたんですがねぇ〜。サスペンスやホラーが多かったですね、あれはあれで一級のやつはグッときますよ。
今度図書館にいったら探してみます。司馬リョウは坂本龍馬以来やなぁ〜。
また紹介お願いします。
Posted by sakamoto at 2007年10月28日 22:08
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植村直己
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Tracked: 2007-10-27 18:18