不倫であろうが、ips細胞への嫉妬心であろうが、そんなことはどうでもいいことなのです。研究の動機や裏側がどうであれ、われわれは成果だけを見て評価すればいいだけと思います。偉人伝記に出てくる野口英世も借金を踏み倒し放蕩を繰り返した異端児でしたが、それに反比例するかのように研究に対する執着心とバイタリティーは他の研究者を圧倒する並外れたものがありました。人間誰しもプラスの要素があればマイナスも必ずあります。
それにしても小保方さん、持ち上げられたと思ったらいきなり落とされました。わずか1ヶ月の短期間でこれほど天国と地獄を味わった人も少ないでしょう。
少し前、そのSTAP細胞が大きく新聞記事に載っていたその横に、タンパク質のイオン化でノーベル化学賞をとった田中耕一氏のことが小さく記事に出ていました。一滴の血液からすべての病気が解明できることを目標に日々研究をしていることが書かれていました。その中で、「研究成果が出た時は5合目くらいにたどり着いたと実感した。しかし研究を進めるにつれて、自分が今何合目にいるのか。まして目指しているところは富士山なのかエベレストなのか、それすらもわからない」という日々の苦悩が綴られていました。
様々な疑惑を引きずりながら世間を騒がせているSTAP細胞と、一方で謙虚にそして真摯に研究に打ち込む一研究者とはあまりにも対照的な印象を受けました。
どちらの研究姿勢がいいか・・・などという評価は、あまり意味はないと思っています。なぜなら、そこにあるのは科学的真実の究明ということが「全て」だからです。
マイナス要因をバネにしてプラスに転じる研究者もたくさんいます。
姿勢の良し悪しは他人がとやかく言うものではなく、その人にあったやり方でいいのではないでしょうか。その姿勢が研究成果にいい形で返ってくるのか悪い形で返って来るのか・・・最後は自分の責任なのですから。
By Ryu
